2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧
更衣・衣替え 更衣して水色のシャツ着たし 細見綾子 脱ぎ捨てゝ冥途姿へ更衣 沢木欣一 父の書く職歴長し更衣 河原地英武 更衣マネキン一糸纏はざる 岸本典子 ポケットの砂を叩きて更衣 奥山ひろ子 独り居を頑固に通し更衣 上田博子 形見なる服捨てられず更衣…
蝸牛・でで虫・でんでん虫・かたつむり 妻の疲れ蝸牛はみな葉の裏に 沢木欣一 かたつむり婚十年の二階住み 栗田やすし 医務室の曇りガラスに蝸牛 河原地英武 山頭火句碑に角出すかたつむり 下里美恵子 かたつむり一揆の塚を這ひ上る 国枝洋子 でで虫の登りつ…
紫陽花・四葩・七変化 寺町が晩学の宿濃紫陽花 栗田やすし あぢさゐや逢はばすずしくもの言はむ 細見綾子 紫陽花の原種苗買ふ朝の市 丹羽康碩 父の供花少し小振りの濃あぢさゐ 岸本典子 鎌倉の山あぢさゐの瑠璃きざす 福田邦子 虚子庵の名残の四葩藍淡し 小…
夏帽子・麦藁帽子・パナマ帽・日除帽 夏帽子こめかみ深く旅出ずる 沢木欣一 旅みやげ久留米絣の夏帽子 細見綾子 夏帽子触れあふ内緒話かな 河原地英武 夏帽を濡らして伊豆の雨あがる 栗田せつ子 旅立ちの麦藁帽を浅かむり 丹羽康碩 自転車の尼僧の黒き夏帽子…
楝の花・花楝・栴檀の花 吉野川青き流れの花楝 細見綾子 栴檀の匂ひ満ちたる毛利墓所 上杉和雄 花楝雲とどまれば色深む 梅田 葵 でこぼこの溶岩に降り継ぐ花楝 角田勝代 青空にまぎるる淡さ花樗 清水弓月 車椅子押す手に零る花あふち 熊澤和代 肩組める予科…
蛍袋・釣鐘草・提灯花 一とむらの雨の雫の螢袋 細見綾子 手洗ひに蛍袋の花の影 清水弓月 螢袋かすかに揺れぬ何かゐる 田畑 龍 魚釣りし辺りや螢袋咲く 中村たか 野面積隙間に蛍袋かな 高橋幸子 四五本のほたるぶくろが村境 藤田湘子 釣鐘草降りぬかれたるさ…
麦の秋・麦秋 赤富士の胸乳ゆたかに麦の秋 沢木欣一 麦秋へ浅草発の朝電車 細見綾子 迷路なす地下墓地を出て麦の秋 栗田やすし 麦秋や指に紫紺のインク染み 河原地英武 麦秋や河より低き治水の碑 国枝隆生 抱きしめて赤子の古道麦の秋 矢野孝子 手拍子で賛美…
山法師の花・やまぼうし・山帽子 朝鳥に花ちりばめつ山法師 水原秋櫻子 霧深く恥らふごとく山法師 菖蒲あや 朝の日を集めて清し山帽子 武田稜子 暮れてなほ径に明るし山法師 千葉ゆう 宝鐸草雑草園の藪の中 山口青邨 けものみち狐の提灯花つけし 飴山實 山の…
朴の花・朴散華・厚朴の花・ほほがしは 朴咲くや津軽の空のいぶし銀 沢木欣一 朴の花山気をほしいままの白 細見綾子 散華てふ哀しき言葉朴の花 栗田やすし 山襞は雲湧くところ朴の花 武田稜子 背に日を受くる観音朴の花 武藤光晴 裏木曽の谷筋深し朴の花 河…
花栗・栗の花 花栗の香にまみれたる別れかな 栗田やすし 赤ん坊に少年の相栗の花 沢木欣一 栗の花咲きそむ白き紐垂れて 細見綾子 川ふたつ落ち合ふところ栗の花 下里美恵子 根尾谷の横ずれ断層栗の花 上杉和雄 微かなる夜汽車の響き栗の花 渡辺慢房 花栗の匂…
葵・立葵・銭葵・這葵・花葵 ばたゝと田植すみけり立ち葵 細見綾子 峡深し墓をいろどる立葵 沢木欣一 立葵すつくと伸びし城の址 多々良和世 家訓記す大福帳や銭葵 市江律子 猫歩く落第横町立葵 斉藤眞人 立葵下校の鐘の響きけり 花村登美子 野鍛冶屋の煤け看…
椎の花・花椎 夜勤の父待つ街裏に椎匂う 沢木欣一 山城の急階段や椎の花 栗田やすし 国分寺や鴟尾の真上の椎の花 清水弓月 花椎のけだるき匂ひ舟屋路地 岸本典子 山裾の藩主の御廟椎匂ふ 前田昌子 海舟の墓にこぼるる椎の花 武藤光晴 筆塚の筆に降り積む椎の…
苔の花・花苔 室生寺の塔に雨降り苔の花 細見綾子 苔の花見下ろす寺の奥座敷 栗田やすし 霊木の文殊の注連に苔の花 中山敏彦 鵜装束軒に乾けり苔の花 上田博子 師を恋ふて無名庵まで苔の花 栗田せつ子 走り根のからむ樹海や苔の花 武田稜子 鐘楼も茅葺の屋根…
青葡萄 婚近き教え子と食ぶ青葡萄 栗田やすし 孤児の歯を抜いてついばむ青葡萄 沢木欣一 青ぶだうの中に一粒青錆びて 細見綾子 青葡萄一房ごとに影やどす 牧 啓子 アルプスの風に粒立つ青葡萄 豊田紀久子 ボヘミアのガラス工房青ぶだう 本多俊枝 日照雨あと…
雪ノ下・鴨足草・虎耳草 無明庵やさしき花を鴨足草 沢木欣一 筧水鴨足草に落ちてゐし 細見綾子 路地めぐる水の豊かに鴨足草 神尾朴水 雪ノ下崖にはびこる貴船道 小西照子 鴨足草書院の庭の隅隅に 巽 恵津子 水しぶく崖にはりつく鴨足草 萩野文子 母の忌や花…
十薬・どくだみ・毒痛み 十薬が匂ふ恋しともちがふ 細見綾子 盲ひの鵜十薬の辺にうづくまる 栗田やすし どくだみを千切りて犬の傷ぬぐふ 上杉美保子 どくだみのあまた義朝湯殿跡 藤田岳人 十薬の更にはびこる狭庭かな 加木雅子 十薬や古道に石の道しるべ 東…
柘榴の花・花柘榴 花ざくろあつさり落ちてころがれり 中山敏彦 ざくろ濃く咲く築城の石切り場 岸本典子 下宿屋の暗き階段花ざくろ 関根切子 ざくろ咲く空の青さや爆心地 幸村志保美 花ざくろ散る枡形の石畳 玉井美智子 雨細し紺屋の庭の花柘榴 大津千恵子 鬼…
茄子の花・花茄子・茄子植う 風呂敷を抱へ僧来る茄子の花 栗田やすし 茄子の花巧言令色滅ぶべし 沢木欣一 霧降るが見ゆる茄子の末の花 細見綾子 傘さして夫見入りをり茄子の花 岸本典子 たつぷりと畝に水撒き茄子植うる 藤田岳人 裏庭に茄子の花咲く駐在所 …
今年竹・若竹 わが伏屋若竹一本貫けり 沢木欣一 今年竹弓のごときを雷雨打つ 細見綾子 輪蔵の脇凛然と今年竹 栗田やすし 青空に触れしなやかな今年竹 下里美恵子 若竹や風に揺れゐるひとところ 田畑 龍 有楽苑の垣はみ出せり今年竹 奥山ひろみ ぬきん出て庫…
蛇苺・くちなわいちご へびいちごは、漢名の「蛇苺」に由来する。 中国ではヘビが食べるイチゴと考えられていたことや 、このイチゴを食べる小動物をヘビが狙うこと、ヘビの出そうな場所に生えることなどから、 「蛇苺」と呼ばれるようになった。 へびいちご…
姫女苑・ひめぢよをん 雪三筋残せし富士や姫女苑 栗田やすし 渡舟場へ石ころ道や姫女苑 下里美恵子 揺るるたび蝶を放てり姫女苑 都合ナルミ 姫女苑摘みて供ふる殉教碑 国枝洋子 姫女苑土地売却の札覆ふ 豊田紀久子 踏切に小さき祠や姫女苑 三井あきを 姫女苑…
青梅・実梅・梅の実 青梅に紅さすはつか東慶寺 細見綾子 実梅売るみすずの街の乾物屋 栗田やすし 実梅落つ茂吉生家の屋敷神 小島千鶴 梅は実に娘の恋の話聞く 長崎眞由美 青梅にほのかな紅のありにけり 齊藤眞人 孫生れて植ゑし記念の梅は実に 花村富美子 も…
母の日 母の日や夏みかんの汁子より飛び 細見綾子 母の日の母田を植うる泥まみれ 栗田やすし 母の日の母に真紅のマグカップ 河原地英武 母の日や母恋ふ八十路過ぎてなほ 田畑 龍 母の日も茣蓙に声張る朝市女 都合ナルミ 母の日の母となりたる妻の顔 渡辺慢房…
橡の花・栃の花 橡の花肩に落ちたり善光寺 細見綾子 木曽駒を離れぬ雲や橡の花 坪野洋子 花栃や日本武尊掛けし石 市江律子 橡咲くや地震に崩れし外曲輪 武藤光晴 雨雲を突き上げ咲けり栃の花 澤田正子 塩の道明るき雨に橡咲けり 倉田信子 橡の花谷貼り付く流…
馬鈴薯の花・じゃがいもの花・藷の花 事もなげにじやがたら芋の花咲ける 細見綾子 じやがいもの花の中より北狐 栗田せつ子 古戦場跡馬鈴薯の花盛り 平松公代 大粒の雨じやがいもの花打てり 関根近子 一畝の馬鈴薯咲かせ島に住む 久野和子 馬鈴薯の花の盛りや…
蜜柑の花・花蜜柑・レモンの花 みかんの花浪のしぶきの墓数基 細見綾子 吹き上ぐる風の匂へり花みかん 関野さゑ子 ヴィオロンの止みて蜜柑の花匂ふ 澤田正子 花蜜柑庭の片隅明るうす 三田誠子 吹き上ぐる瀬戸内の風花蜜柑 田端 龍 花みかん匂ふ峠や海の風 山…
立夏・夏立つ・夏に入る・夏来る・今朝の夏 立夏はその日一日の事をいう場合もあり、この日から小満(二十四節季5月20日頃) の前日までの期間でもあります。 今年の立夏は5月5日から5月19日までです 霊山に緑衣の仁王夏に入る 栗田やすし 夏来る道の真中…
端午の節句・鯉幟・子供の日・幟、鯉幟・吹流し・矢車・幟竿 基地囲む青田青垣鯉幟 沢木欣一 鯉のぼり苗代にうつる吉野谷 細見綾子 端午の日七味を買へる京の坂 栗田やすし 機関車の汽笛高らか子供の日 河原地英武 子供の日見つかるやうにかくれんぼ 梅田 葵…
茶摘・一番茶・茶山・茶摘笠・茶畑・茶摘女 一番茶すみし日焼の女衆 沢木欣一 茶摘みせし絣もんぺの膝つきて 細見綾子 二番茶を摘む聖堂の裏の畑 栗田やすし 摘み採れり一枝二葉の新茶の芽 坪野洋子 茶の芽摘むほどよき距離に老夫婦 鈴木みすず 茶摘女の笠浮…
五月・皐月・聖五月・早苗月 「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す」 こうして二年前の五月に始まった令和、ことしは世界中で困難と闘っています 一日も早く終息することを祈るばかりです さて、なぜ聖五月『聖』?新…