1月 28日


                    冬蝶・冬の蝶・凍蝶・蝶凍つる・越年蝶


     芥焼く煙のなかの冬の蝶          澤木欣一


     越冬の蝶の乱舞や御嶽口          栗田やすし


     紙切れのごとき籬の冬の蝶         清水弓月


     六道の辻に冬蝶見失ふ           横井美音


     地下壕を出れば真白き冬の蝶        斎藤真人


     冬の蝶日向の石に翅広ぐ          生田 愛


     地ならしの馬場にゆらりと冬の蝶      加藤裕子


     影の無き大日時計や冬の蝶         渡辺慢房


     草の葉と一枚になり冬の蝶         中川幸子


     冬の蝶御穂田へ来て果てにけり       中根多子


     冬蝶の舞ひ上がりたるしじまかな      桑原 良


     窯の屋根越ゆ瑠璃色の冬の蝶        山本光江



          



     記憶古りて凍蝶の翅欠きやすし        寺山修司


     心臓を押さえた形に冬の蝶          宇多喜代子


     アスファルトに死す冬の蝶乾ききり      大高翔


     凍蝶の上ると見えて落ちにけり        下村梅子


     旅立つや冬蝶たたす妻の影          秋元不死男


     たかだかと冬蝶は日にくだけたる       夏井いつき