
冬蝶・冬の蝶・凍蝶・蝶凍つる・越年蝶
芥焼く煙のなかの冬の蝶 澤木欣一
越冬の蝶の乱舞や御嶽口 栗田やすし
紙切れのごとき籬の冬の蝶 清水弓月
六道の辻に冬蝶見失ふ 横井美音
地下壕を出れば真白き冬の蝶 斎藤真人
冬の蝶日向の石に翅広ぐ 生田 愛
地ならしの馬場にゆらりと冬の蝶 加藤裕子
影の無き大日時計や冬の蝶 渡辺慢房
草の葉と一枚になり冬の蝶 中川幸子
冬の蝶御穂田へ来て果てにけり 中根多子
冬蝶の舞ひ上がりたるしじまかな 桑原 良
窯の屋根越ゆ瑠璃色の冬の蝶 山本光江

記憶古りて凍蝶の翅欠きやすし 寺山修司
心臓を押さえた形に冬の蝶 宇多喜代子
アスファルトに死す冬の蝶乾ききり 大高翔
凍蝶の上ると見えて落ちにけり 下村梅子
旅立つや冬蝶たたす妻の影 秋元不死男
たかだかと冬蝶は日にくだけたる 夏井いつき